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1150年の伝統を誇る京都最大の祭り

祇園祭、月鉾

▲祇園祭、月鉾

祇園祭は京都で最大の祭りです。「365日、祭りがある」と言われる京都の中でも、単に「祭り」と言えば祇園祭を指すほどです。
その始まりは、869(貞観11)年、京の都に疫病が流行したときに、昔の八坂神社にあたる祇園社が行った祇園御霊会。なんと1150年もの伝統を誇ります。
祇園祭の祭礼を取り行うのは、今でも八坂神社です。しかし、豪華で巨大な山鉾を維持し、祭りを続けていくには町衆の財的・人的な協力が不可欠。その意味で主催者は京都市民そのものであり、祇園祭は京都の町衆の気概の結晶とも言えます。

京都では、毎年6月くらいから下準備が始まり、7月1日の吉符入以降は本格的に祭りの準備が進められます。どこからともなく「コンチキチン、コンチキチン」と祭囃子(まつりばやし)が聞こえてきます。

各山鉾町では、町会所などで稽古をします。2階で行われることが多いことから、「二階囃子」とも呼ばれます。

山鉾は釘を使わず、縄だけで組み立てます。これを「縄絡み(なわがらみ)」といいます。各町にはそれぞれ独自の「縄絡み」が伝わっており、その結び方そのものが、すでにひとつのデザインです。おおむね、鉾は3日、山は1日で組み上がります。

祭りには、前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)があります。
前祭では7月14日から16日が宵山。夜になるとたくさんの提灯に明かりが灯り、縁日が出ます。また、各山鉾町の町会所に行くと、飾り席が設けられ、山鉾の御神体や稚児人形懸装品を間近で見ることができます。
飾り席には、伝統的な京野菜なども、供物として飾られます。

宵山の縁日

▲宵山の縁日

祇園囃子が響く中の祝祭絵巻

船鉾

▲船鉾

祇園祭のハイライトは、なんと言っても、7月17日に行われる前祭の山鉾巡行。この日はハ坂神社の神輿が御旅所(おたびしょ)に神幸(しんこう)する日です。
スタートは、四条麩屋町に建つ斎竹(いみだけ)に張られたしめ縄。このしめ縄は、俗世と神域の境界線です。先頭を行く長刀鉾(なぎなたぼこ)には顔を白く塗った稚児が乗っており、身を乗り出して舞い、しめ縄に太刀を振り下ろします。歓声が上がり、山鉾巡行が始まります。山鉾は23基です。

車輪がついた胴組の上に囃子方が座る床が設けられた「鉾」と、舞台の上にさまざまな趣向の人形が飾られた「山」が、繁華街の大通りをゆっくりと進んでいきます。
「鉾」と「山」、併せて山鉾は絢爛豪華なゴブラン織やペルシャ華紋などで装飾され、昔、国際的な文化を取り入れた跡が残っています。飾りはゴージャスそのものです。

山鉾は曲がり角に来るといったん停止します。山鉾は大きくて重く、月鉾などは総重量約12t、高さは約26mに及びます。山鉾はそのままでは、角を曲ることはできません。竹を敷いた上で、ぐるりと回転させます。これを辻回しといいます。
辻回しは「えーんやらあ、やあ!」の掛け声で行われます。その迫力に、沿道からは喝采の声や拍手がわき起こります。山鉾は再び動き出し、「コンチキチン」の祭囃子が調子を上げていきます。興奮はクライマックスに達します。
一方、その陰では細かく気持ちの引き締めも図られるのが、さすがに全国有数の大祭。怪我や事故が起きないよう、巡行中はあちこちで清めの塩がまかれます。

放下鉾の辻回し

▲祇園祭、放下鉾の辻回し

後祭では7月21日から23日が宵山。提灯に明かりが灯るのは前祭と同じですが、縁日は出ません。24日に山鉾巡行が行われます。この日は、神輿が御旅所からハ坂神社に還幸(かんこう)します。山鉾は10基です。
後祭の山鉾巡行は前祭に比べれば規模は縮小されますが、花傘巡行が呼び物となっています。
花傘巡行は1966(昭和41)年、山鉾の古い形態を再現するために始められたもので、花街の舞妓さんや芸妓さんによる踊りなど、京都の伝統芸能が披露されます。そのほか、古式ゆかしい鷺舞、六斎念仏、稚児行列などが続きます。

花傘巡行

▲花傘巡行

7月24日に還幸祭。3基の神輿が街中を歩きます。
7月28日に神輿洗。神輿を四条鴨川で洗い浄め、八坂神社に帰ります。
7月31日、八坂神社の夏越祭では、摂社(境内社)の疫神社の前に設けられた茅の輪をくぐって無病息災を祈願し、ひと月にわたる祇園祭は終わりを告げます。

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