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源義経が天狗から兵法を習った伝説の山

鞍馬寺本殿

▲鞍馬寺本殿

鞍馬寺は、京都北部の鞍馬山にあるお寺です。奈良の唐招提寺を開いた鑑真(がんじん)の高弟にあたる鑑禎(がんてい)が、770(宝亀元)年に毘沙門天をまつったのが起こりです。その後、796(延暦15)年に藤原伊勢人(いせと)が諸堂宇を建立して、鞍馬寺と称しました。それ以来、京の都の北方鎮護のお寺として、朝廷からも庶民からも崇敬を集めてきました。

鞍馬の名は昼なお暗いことを示す「暗間」「闇間」が元になっているとも言われ、その名の通り、樹々がうっそうと茂っています。

鞍馬寺は、源義経が少年時代を過ごした場所としても有名です。伝説によれば、天狗に武術や兵法を学んだとされています。
源義経の軍事的才能については、司馬遼太郎は「ひとつの民族の歴史に1人出るか出ないか」と高く評価しています。確かに、せっかく平家を破る大功績を挙げながら、田舎者丸出しで威張りかえって京の人々に嫌われた従兄弟の木曾義仲を粟津の戦いで破り、一ノ谷で平家を相手にみごと勝利を収めて都に凱旋した姿は、颯爽として見事。今日で言えば、アメリカのプロ野球やサッカーのW杯でズバ抜けた活躍を見せた選手のように、一躍ヒーローとなりました。

ただ、天才というのは精神のアンバランスの上に成り立っていることが多く、義経の場合は政治感覚がゼロでした。その辺を老獪な後白河法皇に突かれて、検非違使に任じられ、昇殿を許されて、得意満面。
政敵から役職を受け取って喜んでいるのですから、野党の議員が自民党から役職をもらって、うれしげにブログで報告しているようなものです。
歴史物語では義経を悲劇のヒーローとし、兄の頼朝を悪役とする傾向がありますが、真っ当に考えれば頼朝が怒るのは当たり前です。源義経は東北へ落ち延び、追いつめられて、その生涯を閉じることになります。

650万年前、金星から飛んで来た魔王尊が降り立った聖地

鞍馬寺は1947(昭和24)年に天台宗から独立して、鞍馬弘教の総本山となりました。本尊は、毘沙門天と千手観音と護法魔王尊が合体した「尊天」です。この「尊天」は一木一草にも慈悲を注ぐ宇宙生命そのものとされています。

魔王殿

▲魔王殿

伝説によれば、650万年前、人類救済の大使命を帯びた護法魔王尊が金星から「焔の君」たちを従えてやってきた、とされています。何とも超SF的な話ですが、今の人類にはわからない「何か」があるのかもしれません。古くから、現代のスピリチュアルブームを先取りしたような信仰の地であったわけです。

実際、鞍馬寺には歩いているだけで浄化されるような感覚があり、一度行ったら、また行きたくなります。
なお、山中の道は多少のアップダウンはありますが、登山道というほど険しいものではなく、ハイキングコースの感覚です。天気さえよければそれほど無理はなく、子どもでも歩けるでしょう。ただし、「木の根道」などがあって足元がよくないので、高齢の方などは注意が必要です。雨のあとなどはすべりやすいので、気をつけてください。

【国宝】木造毘沙門天及吉祥天・善膩師童子・鞍馬寺経塚 遺物32点

【重要文化財】木造毘沙門天立像・木造観音菩薩立像・銅燈龍・黒漆剣・剣(無銘)・紙本墨書鞍馬寺文書

【馨鞍馬寺経塚遺物】鞍馬寺経塚は、本堂後方の山腹にある経塚群です。1878(明治11)年以降、数回にわたって、さまざまな遺物が出土しています。
複合遺跡であるため、時代の下るものも含まれますが、平安時代末期の遺品が中心です。石宝塔・銅宝塔・鉄宝塔・銅経筒・鏡像・銅鏡など計179点で、その多くは京都国立博物館に保管されています。
ただし、石宝塔は本坊書院の庭にあります。これは元々経塚の標識として建てられていたもので、平安末期の造立と推定されます。風化によって原形を損じてはいるものの、均衡はよく、わが国最古の石造宝塔として評価されています。

木の根道

▲木の根道

【木造毘沙門天及吉祥天・善貳師童子立像】毘沙門天と善膩師童子はとち材、吉祥天は檜材で、ともに一木造です。
像高は毘沙門天が175.8cm、吉祥天が1m、善膩師童子が95.4cm。三尊とも瞳を墨で描き、朱唇とするほかは素地仕上げ。
中尊の毘沙門天は、左手を眉間にかざして遠くを見る特異な形をしています。これは王城の北、鞍馬の地にあって北方鎮護のさまをかたどったと思われます。面相、肉どりもおおらかで、刀法もおだやかながら要を得ており、平安時代の造立と見られます。
吉祥天は、その胎内から発見された経巻の奥書により、1127(大治2)年につくられたことがが明らかとなっています。また、善貳師童子・吉祥天を配して三尊一具とした、最古の毘沙門天像としても貴重な遺物です。
(文化財の解説は『郷土資料事典 京都府・観光と旅』人文社による。)

【鞍馬寺を含む京都観光コースガイド】

天狗伝説が残る源義経ゆかりの地、鞍馬山

【公式ホームページ】

鞍馬寺

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