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風葬の地に建てられたお寺と石仏・石塔

化野念仏寺

▲風化した石仏・石塔が並ぶ化野念仏寺

化野念仏寺は、長い年月のうちに風化した石仏群、石塔群で知られる浄土宗の寺です。
その歴史は、弘法大師・空海が弘仁年間(810〜824)に開いた五智山如末寺に始まります。 平安時代、この一帯は風葬の地で、たくさんの遺骸が野ざらしになっていました。高雄の高雄山寺(現・神護寺)に滞在していた空海がそれを見て、「これでは死者が浮かばれない」と嘆き、遺骸を埋葬し、小倉山寄りを金剛界、曼荼羅山寄りを胎蔵界として一宇を建てたと伝わっています。

創建当時は真言宗でしたが、鎌倉時代初期に法然が念仏道場として、寺名も華西山東漸院念仏寺と改め、宗派も浄土宗の寺となりました。
その後、1712(正徳2)年に黒田如水の外孫に当たる僧、寂道が本堂などを再建し、湛慶作という本尊阿弥陀如来座像を安置して、今日に至ります。

私がこの寺のことを初めて知ったのは、高校か大学のころに読んだ立原正秋の小説『あだし野』によります。立原正秋らしい、無常の美学に裏打ちされた佳品です。

生あれば、死あり。この寺に来ると、亡くなった親友の墓がひたすら静かだったのを思い出します。
それにしても、私たちはなぜ生きているのでしょう。
いつかは、あんな静かな石の下に入るというのに。
なぜ、表現をするのでしょう。
文章や絵などを残したって、いつかは失われてしまうというのに。

この寺の境内にある数多くの石仏群、石塔群は、実に寂しいですが、それ故に独特の美しさに満ちています。
嵐山方面に来る人は、その多くが渡月橋周辺でたむろしていますけど、もったいないですね。
すぐ近くに、本当に深い京都があるのに……。

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化野念仏寺

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