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kotonoha file:万灯会(まんどうえ/まんとうえ)

三千院の万灯会数多くの灯明を灯して、仏を祀る法会を万灯会といいます。古くから灯明を灯して読経を行うことはありましたが、744年、奈良の東大寺の前身、金鐘寺(こんしょうじ)で、1万杯の灯を灯したのが、万灯会の始まりです。
平安京遷都後の平安時代には、万灯会は東大寺で行事として定着し、奈良や京都の寺をはじめ、各地の寺に伝わり、室町時代後期には、 「長者の万灯よりも貧者の一灯」と、庶民にも献灯が勧められるようになりました。 功徳を積むことになる、というわけでしょう。

今日の京都では、万灯会の多くは夏の行事のひとつとして行われています。
早めに開かれるのが、京都の南側、伏見区にある世界遺産の寺、醍醐寺の醍醐山万灯会です。大正時代に途切れた「夜参り」を1987年に復活させたもので、 毎年、8月5日ごろに行われています。国宝の金堂や五重塔がライトアップされ、とてもきれいです。

お盆に行われるものでは、東山の大谷祖廟の東大谷万灯会が有名です。1961(昭和36)年から、約半世紀も続けて行われています。
大谷祖廟は、東本願寺の宗祖親鸞上人の墓所で、広い墓地となっています。万灯会は、暑さの厳しい京都で、涼しい夜に墓参りをしてもらおうということで、 始められました。日暮れになると約一万個の提灯に明かりがともされ、境内は幻想的な雰囲気に包まれます。東山の斜面にある大谷祖廟からは、 京都の夜景が一望できます。
京都の中心地からも、そう遠くないので、夜、行ってみてはいかがでしょうか。その場合、宿は洛東の東山周辺か四条河原町で取ると楽です。 東山中部は京都の風情が漂う祇園、四条河原町は京都のメインストリートなので、宿泊しても楽しく過ごせます。ただし、檀家の方にとっては墓参りですから、無用に騒ぐのはNGです。

京都駅から1時間かかりますが、三千院の万灯会もきれいです。天台宗開宗1200年にあたる2004年に、世界平和を願う 「千年の祈り」として始められました。大原のバスターミナルのあたりから三千院のさらに先まで、花灯路が続きます。
大原は紫蘇の産地として有名で、梅雨明け前後から多くの家で赤い紫蘇ジュースをつくります。初回の万灯会では、この紫蘇ジュースがふるまわれました。ちょっと見ると、赤ワインのようです。 今でもやっているか、わかりませんが、紫蘇好きな方はお店で味わうとよいでしょう。
大原で宿を取った方が楽かもしれませんが、私自身、大原好きなのにこのあたりで泊ったことはありません。仕事ですと、どうしても京都中心部が便利ですから。でも、いつかひなびた里山の朝の光景を味わってみたいものだと思っています。
大原から京都市中にもどるには、市バスではなく京都バスを使い、三条の橋のそばの三条京阪のバス停を経由し、京都駅に向かいます。バスは鴨川に沿って走るので、途中で乗ってもよいわけです。大原には飲むところはないので、一杯やりたい人は街中へもどりましょう。

三千院の参道に志ば久という漬け物屋があります。主人は、仕事の隙を見ては世界各地を旅している、ちょっと変わった親父ですが、味は確かです。

新選組の寺として有名な壬生寺でも、お盆が近づくと、先祖の霊を迎え、送るための万灯供養会の灯籠がたくさんつるされます。 8月9日には、壬生六斎念仏講の人々によって、壬生六斎念仏の踊りや囃子が披露されます。

嵯峨野の化野念仏寺の千灯供養は、静かで厳か。長い年月の間に風化した石仏・石塔群と相まって雰囲気があり、 知る人ぞ知る夏の行事となっています。 嵐山や嵯峨野エリアにはよい宿があります。高級旅館が多いです。

お盆の時期には、そのほかにもあちこちの寺で万灯会が行われますが、必ずしも夏の行事とは限りません。 上京区の妙蓮寺では、例年、10月に行われています。ショーやコンサートも開かれ、なかなか現代的です。

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