
天龍寺は、嵐山・嵯峨野エリアにある臨済宗天龍寺派の大本山です。室町幕府を開いた足利尊氏が、高僧夢窓疎石の薦めによって、
吉野で亡くなった南朝の後醍醐天皇の菩提を弔うために建立しました。
建設には多大な費用がかかるため、室町幕府が天竜寺船と呼ばれる貿易船を元に派遣したことは、日本史ではよく知られています
天龍寺は、足利義満の時代、京都五山の第一位に列せられました。今では世界文化遺産のひとつに指定され、嵐山・嵯峨野巡りの中心地となっています。
渡月橋や阪急嵐山駅から近く、周辺には食事処や甘味処、土産物の店も集まり、賑わいがあります。
お寺というのは、規模が大きくなると茫漠として味わいが乏しくなりがちなものですが、この寺は細かいところまで心遣いが行き届いている感じがします。
格の高いお寺でありながら、尊大な雰囲気がなく、自由な風が通っており、私は好きです。
大方丈の中から観た曹源地庭園です。曹源地庭園は、夢窓国師によって造営され、国の史跡・特別名勝第1号に指定されました。
屋内には、訪れた人が静かに座って、庭を見ていました。通り過ぎていく風が涼やかです。
座るのに飽きたら、廊下を歩いて渡りましょう。
廊下の途中になぜか鐘が下がっていました。ちょっと
「ゴーン」とやってみたくなりますが、我慢。
外を歩いてみましょう。曹源地庭園の中は、歩いてめぐることもできます。
ここは多宝殿。中には、後醍醐天皇の像が祀ってあります。
※写真提供:天龍寺
法堂には、京都の禅寺らしく、龍の絵もあります。こちらをにらんでいるのは、日本画の巨匠、加山又造によって描かれた「雲龍図」。特別拝観のときに観ることができます。
季節めぐりをしてみましょう。春は、しだれ桜で知られています。
初夏の青い花。紫陽花を思わせるものがあります。きれいです。
嵯峨野に秋がやってきました。
天龍寺は、紅葉もきれいです。
公式ホームページ
天龍寺
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【天龍寺の基本情報】
●正式名称
天龍寺(てんりゅうじ)
●寺格・ほか
京都五山一位、世界文化遺産
●宗派
臨済宗天龍寺派
●山号
霊亀山(れいぎざん)
●本尊
釈迦如来
●住所
〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
●電話
075-881-1235
●見学に要する時間
30分〜1時間ほど。
●拝観時間
3月21日〜10月20日 8:30〜17:30
10月21日〜3月20日 8:30〜17:00
※終了時間の30分前までに入場してください。
●休日
年中無休
●拝観料
庭園(曹源池・百花苑)
大人 500円
高校生 500円
中学生 300円
小学生 300円
※諸堂参拝(大方丈・書院・多宝殿)100円追加
※法堂「雲龍図」特別公開500円追加
(土日祝日、春秋の特別公開期間の10:00〜15:30)
●駐車場
あり
乗用車 1回1000円(100台)
バス 1時間1000円(以後30分毎 500円)
タクシー 2時間 500円
●車いすによる拝観
一部可
【天龍寺へのアクセス】
●京都駅から
JRで「嵯峨嵐山」へ
または市バス嵐山大覚寺行きに乗り、「嵐山天龍寺前」下車
●四条河原町から
市バス嵐山嵯峨・山越行きに乗り、「嵐山」下車
※他路線バスでも行けたり、他ルートがある場合もあります。
【天龍寺観光のワンポイント】
嵐山・嵯峨野観光の起点ともなり、中心点ともなるお寺です。このエリアが初めての方は、天龍寺をもとに観光プランを立てるとよいと思います。
【天龍寺の年間行事】
1月
●1月1日
茶礼・祝聖 修正般若修行
お茶を立て、天皇の無窮を祝い、前年の反省をして、今年の国家安泰、五穀豊穣などを祈願します。
2月
●2月3日
天龍寺節分会
鬼や邪を祓い、幸運を招き入れます。
3月
●3月15日
涅槃会(ねはんえ)
釈迦の入滅の日、その遺徳を称える法要です。
4月
●4月8日
潅仏会(花まつり)
釈迦の生誕を祝います。
8月
●8月13日〜8月15日
盂蘭盆
あの世から祖先の霊を招いて祀ります。
●8月16日
嵐山灯篭流し・川施餓鬼(合同)
川施餓鬼法要後、渡月橋のほとりで「万灯流し」を行います。
▲嵐山灯篭流し
12月
●12月31日
歳晩渡諷経行事
大晦日の深夜、除夜の鐘をついて、ゆく年を送ります。
★毎月の祭り
●毎月第2日曜日 9:00〜10:00
天龍寺坐禅会(友雲庵にて)
有志による座禅の会が開かれます。参加者は個人のみ受けつけ、無料です。
●毎月第2日曜日 10:00〜11:00
龍門会(友雲庵にて)
座禅会に引き続き、法話があります。
●随時
写経(多宝殿にて)
参拝料600円と志納金1000円が必要です。必ず事前に予約をしてください。道具は不要です。
※天候その他の諸事情により中止もしくは変更になることもあります。
【天龍寺の歴史】
天龍寺は、室町幕府初代将軍となった足利尊氏が、後醍醐天皇の冥福を祈って、1339(暦応2)年、夢窓疎石を開山として創建したお寺です。
この地はその昔、嵯峨天皇の離宮があったところで、のち檀林皇后(だんりんこうごう)が寺に改めて檀林寺と称し、檀林寺の廃絶後、後嵯峨上皇が仙洞御所をつくり、亀山上皇が仮の御所を営んだ由緒ある場所でした。
造営に際しては、足利尊氏や光厳上皇が荘園を寄進しても造営費用には足りなかったため、元冦以来途絶えていた元との貿易を再開することとし、その利益を造営費用に充てることになりました。これが天龍寺船です。
光厳上皇からは、霊亀山暦応資聖禅寺の名を受け、1344(康永4)年には、京都五山の2位に列しました。寺域は広大で、塔頭(子院)は百数十を超える大寺院でした。
のち度重なる火災や兵火により衰退したものの、豊臣秀吉から寺領の寄進を受けて復興しました。
1815(文化12)年、火災で焼失。また、幕末には長州軍の陣営となり、ほとんどの伽藍は焼失しました。現在残っている伽藍のほとんどは明治時代に再建されたものです。
1876(明治9)年、臨済宗天龍寺派大本山となったものの、翌1877(明治10)年には上地令により、嵐山と嵯峨の広大なエリアおよび亀山全山のほとんどを政府に没収されました。
1994年12月、「古都京都の文化財」として、ユネスコの世界文化遺産に登録され、現在に至っています。
【天龍寺近くの見所】
天龍寺の北側に、竹林の道があります。天龍寺からは野宮神社を経て、西北の嵯峨野の方へ歩いていきます。
▲竹林の道
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【公式ホームページ】
天龍寺