京都案内人、吉田兼好 京都市は、全国でも1位、2位を争ううなぎ食いの町である。大津市やひつまぶしで知られる名古屋市と三つ巴で争っている。 それほど京都は、うなぎの消費量が多い。おそらく内陸に位置するため、新鮮な魚といえば、川や池のものだったためじゃろう。
その割りに、うなぎ屋の数は極端に少ない。東京の方がうなぎ文化は深く根づいたように見える。濃いしょうゆの味わいが、京都のはんなりした味つけとそぐわなかったせいじゃろうか。 このへん、少し不思議である。

ただし、京都にはよい店が多い。そんなうなぎの名店のひとつが、「ぎをん梅の井」じゃ。この店では、静岡県産のうなぎを2〜3日、たっぷりの井戸水に打たせて臭みを消し、 身を締めてからさばいておる。肝吸いなどの吸い物にも、この井戸水を使う。水道水は、店先にまく水くらいにしか使わない。

店では2本の井戸から地下水をくみ上げている。1本では水量が足らず、約半世紀前に2本目の井戸を掘った。水そのものは6mも掘ればあふれ出るが、 飲料用としても使える良質の水にたどりつくには、180mもの深さが必要だったそうな。

主人は東京で修行して、この京都の店を継いだ。そのせいなのか、先代からの味なのか、うなぎは関東風に蒸されて、やわらかい。

京都には、うなぎ信仰の神社がある。東山の三嶋神社じゃ。この神社では、毎年10月に放生会を行い、境内の池にうなぎを放つ。 京都のうなぎ屋はもちろん、全国からうなぎ屋や養鰻業者が参列する。

「ぎをん梅の井」では、かせぎ時である土用の丑の日にあえて店を休み、独自に三嶋神社でうなぎを放っている。うなぎを愛しておるのじゃろう。

ぎをん 梅の井
店名:ぎをん 梅の井
住所:京都府京都市東山区縄手四条上ル
電話:075-561-1004
交通:京阪本線「祇園四条」駅から徒歩3分/阪急「河原町」から徒歩3分
近い観光スポット:建仁寺、八坂神社など
営業:平日11:30〜15:00/17:00〜20:30(注文締切)
   土日祝11:30〜20:30(注文締切)
定休日:8月中旬、不定休
予算の目安:2000円〜5000円(1万円前後のコースもあり)
予約:可
カード:VISA、UC、DC、JCB、AMEX
駐車場:ー
ホームページ:ぎをん 梅の井

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