梅雨の京

梅雨は、アジア特有の現象です。インド洋から蒸発した水蒸気が雲となって北上し、ヒマラヤ山脈にはばまれ、山脈に沿って西から東に向かって移動します。 そして、中国の南部から東南アジアにかけて雨を降らせます。
このアジアモンスーンが日本列島まで移動して、雨を降らせるのが、梅雨です。

梅雨はじとじとして蒸し暑く、上半身裸というわけにいかない平安貴族にとって、過ごすのに苦労した時期ではないか、と思われます。

『源氏物語』でも、梅雨は光源氏への政治的圧力が強まる「賢木」の季節として描かれます。謀略によって人々の気持ちが源氏から離れていく中、 源氏はカッコウの声に誘われるように、亡き桐壷院の女御、麗景殿とその妹君を訪ねます。

「橘の香をなつかしみ郭公花散里をたづねてぞとふ」と源氏が詠みます。
「人目なく荒れたる宿は橘の花こそ軒のつまとなりけれ」と麗景殿が返します。

まさに梅雨の晴れ間のような清涼な一齣です。

京都では、梅雨はやはり田植えの季節であり、平安神宮の薪能の季節であり、宇治川で鵜飼が始まる季節でもあります。

梅雨明けには、九条ねぎの苗が天日に干され、夏を越して畑に植えられます。また、梅の土用干しも行われます。

じとじとしていると、現実にはついクーラーをかけてしまいますが、今時の日本で季節感を感じる、貴重な時期であることは確かです。

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