京都の入道雲、丹波太郎

(たんばたろう)

丹波太郎(入道雲)

強い日射しが照りつける夏、地上や海上から大量の水蒸気が発生し、上空へ昇って積雲となります。積雲はさらに成長して、しばしば積乱雲となります。 俗に入道雲と呼ばれる雄大な雲です。

入道雲は、上のほうは生きているかのようにもくもと発達し、下の方は太陽の光がさえぎられて、黒く見えます。
怖さや無気味さえ感じます。

京都では、北西の丹波方面とくに愛宕山周辺に発達する入道雲を、丹波太郎と呼んでいます。

丹波太郎には兄弟があり、東南の奈良盆地で生まれ、京都方面にやってくる入道雲は、山城次郎と呼ばれます。

また、東北の比叡山一帯で生まれる入道雲は、比叡三郎と呼ばれます。

これらの雲は、ときに雷神をつれてやってきます。
菅原道真の怨念が化した雷神や、俵屋宗達(たわらやそうたつ)の「風神雷神図屏風」に描かれた雷神は、これらの雲のどれかを棲み家としていたのでしょう。

最近は、ヒートアイランド現象のせいで、京都市上空で入道雲が生まれることもあります。都市化が生んだ4番目の兄弟です。
同様の現象は、東京でも起きています。

さて、この「太郎」「次郎」「三郎」という言い方は、河川などに使われます。
板東太郎(利根川)、筑紫次郎(筑後川)、四国三郎(吉野川)とは、よく知られた暴れ川の呼び名です。

丹波太郎には、実は、同姓同名の友人がいます。
京都、滋賀、福井の府県境に位置する三国岳(標高958m)に源を発し、日本海へ注ぐ由良川です。
流域面積は1880平方kmで京都府の約4分の1を占め、幹川流路延長は146kmもあります。日本では大河川に入るでしょう。
「太郎」がつくことから推察されるように、かつては大雨が降ると、よく洪水を引き起こす暴れ川でした。

丹波太郎は、天と地のどちらも、今でも、時々、暴れん坊ぶりを発揮しているようです。


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