おけら参り

(をけら参り)

おけら参りは、祇園祭で有名な八坂神社で行われる年越しの祭りです。
おけらとは漢字で「白朮」と書きます。おけらはキク科の多年草で、古くから薬草として用いられ、その根を焼くと強烈なにおいを放ち、 邪気を払うといわれています。

12月28日の早朝、権宮司(ごんぐうじ)が古式にのっとって、臼(うす)と杵(きね)を使って、火をきり出し、 大晦日、午後7時半すぎに、宮司たちが5つのおけら灯籠に、その火を移します。

灯籠の中には、あらかじめ氏子に配布して願いごとなどを書いてもらった白朮木(護摩木)が組まれ、砕いた白朮も入れられています。 大晦日の夜から元旦にかけて神社を訪れる参拝者たちは、境内で火縄を買って、このおけらの火を火縄に移し、消えないようにくるくる回しながら 家路を急ぎます。
この火で雑煮を炊き、神棚の灯明に火をともして、新しい1年の無病息災を祈るのです。
しかし、火縄を持ち帰る参拝客も最近は減りつつあります。現代の家ではガスや電気で調理しますし、神棚がある家も少なくなったからです。

代わって八坂神社では、火で縄を焦がしてから火を消した火縄を用意するようになりました。 この火縄は、火事を防ぐお守りとして人気があります。

さて、例年、30万人もの人出でにぎわうおけら参りですが、今日のような形で行われるようになったのは意外と新しく、明治時代のことです。

八坂神社が祇園社と呼ばれていた江戸時代には、大晦日、暗闇の中でお参りの人々が悪口を言い合う神事が行われていました。 削掛(けずりかけ)神事、またの名を「悪口(あくたれ)祭」といいました。
腹にたまった不満や恨みごとを吐き出して、清々しい気持ちで正月を迎えようというわけで、似たような行事は全国各地で見られます。 これに八坂神社にゆかりのある別の神社の節分行事を吸収して「おけら参り」が成立し、いつの間にか、 悪口を言い合う風習はなくなっていったようです。

おけら参りは、京都の年越しを代表する風物詩となっています。


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