餅花

(もちばな)

京都の正月飾りの餅花

餅花とは、文字どおり、餅でつくった花です。
白いままの餅と、食紅などで赤く染めた餅を、切ってきた木の枝につけて、飾ります。
たぶん京都、滋賀、大坂、それに中部地方を中心とする習俗のような気がしますけど、くわしくは知りません。
起源もわかりません。京都府木津町相楽(さがなか)の相楽神社には、「神功皇后が来られたとき、花に見立てたお餅をさし出して喜ばれた」 という言い伝えがあるそうですが、本当かどうかも、わかりません。

しかし、相楽神社で行われてきた1月14日の豆焼、15日の粥占・御田、旧暦1月15日の水試、そして2月1日の餅花祭りなどの神事は、 中世の宮座祭祀のあり方がよく残されているということで、京都府の無形文化財に指定されているほど由緒正しいものですから、 ここが発祥の地か、それに近いと想像することはできます。

おそらく最初は、だれかが餅を手近な木の枝につけてみたことろ、花のない季節に「これはきれいだ」ということで、広まっていったのではないでしょうか。
ただし、白だけでは淋しい気がします。季節がら、椿の花でも練り込んで、赤い餅をつくったのではないでしょうか。 赤い染料といえば茜ですが、茜を冬に見つけて、染料が取れる根っこを掘り出すのは難しいですからね。
私もこういう悪戯は好きな方ですので、なんとなくそんな気がします。

そして、京都から中部地方に伝わって、蚕の繭に似せた繭玉や、柿に似せた柿玉なども飾られるようになったのではないか、と思います。

餅花は、今ではすっかり正月の飾りとなりましたが、本来は1月15日の小正月のころに飾られます。
陰暦で新月の1日を朔(ついたち)とすると、15日は満月で望(もち)とされます。
小正月は「望の正月」ですから、「望」と「餅」の語呂合わせで、小正月に餅花を飾り、豊作を祈願するようになったのでしょう。

舞子さんの髪飾りにも、餅花をデザインしたものがあります。あれもいいものです。

機会があれば、「サトウの切り餅」を電子レンジでチンして食紅でも混ぜて、庭の木の枝をちょっと切ってきて、つけてみようか、と思います。


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