うなぎ

うなぎの蒲焼きとおかいさん

うなぎの蒲焼きとおかい(お粥)さん

うなぎは、日本人が伝統的に食べてきたもののひとつです。良質のタンパク質やビタミンAを含み、夏バテに効果のある食物として、 古代から親しまれてきました。『万葉集』にも出てきます。

石麻呂に 吾もの申す 夏痩に よしといふ物ぞ むなぎ取り召せ(大伴家持)

京都は長い魚を好むところで、ハモもうなぎもよく食べられます。ハモの方が人気は高いと思いますが、 京都市のうなぎの消費量は、例年、琵琶湖のそばの大津市と並んで全国一を競っています。 これは、京都の夏がきびしいことと、海から遠い京都では池や川で採れる魚の味になじんできたこと、昔からのしきたりを大切にする 京都の人の性格などによるのでしょう。

夏の土用の丑の日には、魚屋やスーパーの前には、うなぎを買い求める人が行列をつくります。
もともと、丑の日には「う」のつく物を食べると身体によいといわれ、うなぎだけでなく、うどん、梅干し、兎などを食べる風習がありました。
それが、うなぎばかりクローズアップされるようになったのは、江戸時代の奇才、平賀源内がうなぎ屋に頼まれて書いた「本日丑の日」という広告コピーによるのでしょう。 ただし、平賀源内ではなく、蜀山人が書いたという説もあり、事実かどうかは、わかりません。

京都には、うなぎを祀る珍しい神社もあります。東山区の三嶋神社です。創建は、平安時代末期。宮司は、現代に到るも、うなぎを食べません。 毎年十月には、境内の池にうなぎを放す放生会を行っており、京都のうなぎ料理店だけでなく、全国から養鰻業者が参列します。

この放生会とは別に、三嶋神社で土用の丑の日に、うなぎを放生するうなぎ料理店もあります。 「ぎをん梅の井」(東山区)です。稼ぎ時である土用の丑の日にあえて店を休むのですから、うなぎに対する思い入れが強いのでしょう。
この店では、静岡県榛原地方から仕入れたうなぎを、深い井戸からくみ上げた水で2、3日休ませてから、さばきます。冷たい井戸水によって、うなぎは身が締まり、臭みが抜け、よい味となります。

京都は、うなぎの消費量は多いのに、うなぎ料理店は数えるほどしかありません。 日本料理といっしょになっている店が多いのは、文化のちがいによるものでしょう。


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