鯖寿司

京都の割烹で、しめ鯖を酢で食べさせられたときには、ちょっと驚きました。しめ鯖はしょうゆとわさび、または生姜で食べるものだと思っていたからです。
ところが、酢でしめた鯖を小皿の酢につけて食べると、合うんですね。
しょうゆよりおいしいと思いました。

さて、京都といえば鯖寿司が有名です。内陸にある京都では、生の魚介類を食べるのはとても難しく、塩をしたり、干物にしたりしたものを食べていました。鯖寿司は、京都の地理的条件が産んだ、一種の郷土料理です。

鯖は若狭湾で捕れたものが、滋賀の朽木をへて、京都北部の大原へ向かう山道を通って運ばれてきました。
距離にして18里(72km)。この道は、鯖街道と呼ばれています。
ただし、正確に言えば、ルートは1本でなく、何本かあります。
鯖街道という名がついたのは比較的新しく、1970年前後らしいのですが、だれが名づけたのかはわかっていません。

海から上がった鯖は背を開き、塩をします。それを京都まで運んでくると、朝市に並ぶころに、食べごろとなります。
各家庭では、その鯖を使って、祭りの日や祝い事がある日などに鯖寿司をつくり、ご近所に配っていました。

鯖寿司は、自分でも意外と簡単につくることができます。
3枚に下ろした鯖に塩をまぶして2時間くらい置き、酢で洗って塩を落とし、酢に漬けて一晩しめます。
捕れたての新鮮な鯖なら、短時間でしめて、身はほとんど生のまま、しめ鯖で楽しんだり、生のまま刺身にすることもできますが、そのへんのスーパーで買った鯖を使うなら、しっかりしめなければなりません。

身は薄皮をはがし、背と腹の間あたりに骨があるので、毛抜きで抜きます。毛抜きがなければ、背と腹に分けて、骨のあるあたりを切り落としてもかまいません。

次に、木わくの中にしばらく酢にひたした昆布を敷き、その上に鯖の身を置きます。そして、寿司飯を乗せ、ふたでギュッと固めて、木わくからはずし、ラップで包みます。
木わくがなければ、タッパなどでも代用できるでしょう。

食べるとき、昆布ははずす人が多いですが、私は身にかぶせたまま切って、昆布のうまみを楽しみます。少し堅いです。

京都の老舗「いづう」の鯖寿司みたいな高級品ではありませんが、家でつくった鯖寿司は、とてもおいしいです。


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