京野菜

あまり知られていませんが、野菜は育つ土地によって、味わいがかなり変わります。ときには、その形まで、別物といってよいほど変わってしまうこともあります。作家、水上勉は、『土を食う日々』の中で、野沢菜を例に挙げて、そのようなことを述べています。

さて、最近、全国各地で、伝統的に栽培されている野菜が、見直されています。その多くは栽培に手間がかかりますが、大規模に生産される野菜に比べて、味わいが独特で、深みがあるからです。地方の自治体やJAなどは独自の認証制度を導入して、ブランド化を進めています。京野菜は、その代表的な例となっています。

京都には、賀茂なすや壬生菜など、京都の地域の名前や神社仏閣の名前が冠せられた野菜があり、京野菜と呼ばれています。京野菜の歴史は古く、九条ねぎなどは、約1300年から栽培されていたと言われています。

ただし、「京野菜」というのは、言葉通り、京都で栽培された野菜の総称です。私の家の近所のスーパーには「京野菜コーナー」がありますが、京都で栽培されたトマトが置いてありました。トマトだったら、別にありがたがる必要はないように思います。

一般の人が「京野菜」として思い浮かべるのは、聖護院(しょうごいん)だいこん、金時にんじんなどだと思いますが、実は、金時にんじんには、明治以前から京都が主産地で栽培されていた、という史実はありません。
また、京たんご梨などは、明治時代から京都府北部の丹後半島で栽培されている、二十世紀梨を改良した品種であることが明らかで、歴史は深くはありません。

大雑把にいうと、「京野菜」は「京の伝統野菜」と「ブランド指定野菜」に分けられます。

京都で伝統的につくられてきた歴史はあっても、生産量が少ないものは、「京の伝統野菜」となります。

金時にんじんや京たんご梨のように京都のイメージは強いけれど、伝統は深くないものは、「ブランド指定野菜」となります。


「京の伝統野菜」と「ブランド指定野菜」は、集合の図として表わすことができます。

京野菜の分類図

それぞれ次のような野菜があります。

●京の伝統野菜(ブランド指定野菜ではないもの/現存:36品目)

辛味だいこん 青味だいこん 時無だいこん 桃山だいこん 茎だいこん 佐波賀だいこん 松ヶ崎浮菜かぶ 鷺菜 佐波賀かぶ すぐき菜 大内かぶ 舞鶴かぶ もぎなす 畑菜 田中とうがらし 山科とうがらし 桂うり 京うど 柊野ささげ 京みょうが 京せり じゅんさい 聖護院きゅうり

◎京の伝統野菜に準じるもの(1品目)

鷹ヶ峰とうがらし

●ブランド指定野菜(京の伝統野菜ではないもの/8品目)

金時にんじん やまのいも 紫ずきん 黒大豆 小豆 丹波くり 京たんご梨 京こかぶ

●京の伝統野菜で、かつブランド指定野菜(13品目)

聖護院だいこん みず菜 壬生菜 賀茂なす 京山科なす 鹿ヶ谷かぼちゃ 伏見とうがらし えびいも 堀川ごぼう 九条ねぎ くわい 京たけのこ 聖護院かぶ

◎京の伝統野菜に準じるもので、かつブランド指定野菜(2品目)

万願寺とうがらし 花菜

私の家の近くのスーパーの「京野菜コーナー」にあったトマトは、「京の伝統野菜」にも「ブランド指定野菜」にも含まれない、「その他の京野菜」ということになるでしょう。

●京野菜について、よくわかるホームページ


さいさい京野菜倶楽部


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