随心院

随心院は、平安朝きっての才色兼備の女性として名高い小野小町のゆかりのお寺です。この地は小野一族の勢力圏でした。
小野小町は数多くの恋歌を残して三十六歌仙のひとりに数えられます。紀貫之は、「あはれなるようにて強からず、いはばよき女の悩めるところあるに似たり」と、そのようすを記しています(『古今集』序)。

小野小町に関する伝説は数多くあり、のちの時代には老醜をさらしながらさまよった姿まで描かれています。ただし、これは有名税にあたると思われます。現代で言えば、『アンパンマン』に対する『リアルアンパンマン』みたいなものでしょう。パロディの一種ですね。

京都からはかけ離れますが、話の脱線ついでにリアルアンパンマンを紹介しておきます。YouTubeの動画です。
リアルアンパンマン

さて、数多い伝説の中で、最も有名なものは深草少将の悲恋の物語でしょう。

小野小町は30代で宮仕えを辞し、小野の地に帰りました。しかし、世間は放っておいてくれませんでした。
とくに小町の歌のすばらしさと美しさに魅せられていた深草少将は小町に恋心を告げ、「あなたの心が溶けるまで、百夜通います」と言って、門前にカヤの実をひとつ置いて帰りました。

九十九日目の夜は、雪でした。深草少将はやっとのことでたどり着いたものの、九十九個目のカヤの実を握りしめたまま、息絶えました。


小野小町は少将の訪れた日数をカヤの実で数えていましたが、その死を嘆いて、悲恋の貴公子が通った道すがら、99個のカヤの実を植えたといわれています。


今日の随心院には、そのような悲劇の面影はありません。うららかな陽の光が射し込み、何事もなかったかのように、穏やかな面影でたたずんでいます。


随心院の縁側

随心院はオンシーズン以外は静かなお寺です。美しい庭を見ながら、縁側をわたっていきます。この縁側の多さが、随心院の特徴かもしれません。 私は縁側のある田舎の家で育ちました。曾祖父がお寺の住職だったので、そのお寺でもよく遊びました。お寺にも縁側があったので、随心院のことが気に入っているのかもしれません。


随心院の廊下の駕篭

廊下を歩いて行くと、天井から駕篭が吊るされています。なぜなのか、それはわかりません。


随心院の部屋

部屋には飾り物が置いてあります。落ち着いた、よい雰囲気です。


随心院の庭

縁側を歩きながら、庭を眺めます。


随心院の庭

庭には池もあります。小野小町と深草少々にちなんで、鯉を恋とかけてみましょうか。


随心院の縁側のしきもの

縁側の一部には、赤い敷物が敷いてあり、庭の緑とよく映えています。


小野小町の筆塚

小野小町の筆塚です。小野小町が自分に届いた恋文を埋めたと伝えられています。


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◎醍醐寺と山科の寺々をめぐる


京都観光街めぐり

【随心院の基本情報】

●正式名称

隨心院(ずいしんいん)

●宗派

真言宗善通寺派

●山号

牛皮山(ぎゅうひざん)

●本尊

如意輪観音

●住所

〒607-8257 京都市山科区小野御霊町35

●電話

075-571-0025

●見学に要する時間

20分〜40分ほど。

●拝観時間

9:00〜16:30
※終了時間の30分前までに入場してください。

●休日

年中無休(行事に伴う拝観停止あり)

●拝観料

    一般 団体割引
大人  400円 350円
高校生 400円
中学生 300円
小人  無料
※団体割引は20名以上

●駐車場

あり

●車いすによる拝観

不可


【随心院へのアクセス】

●京都駅から
JRで「山科」へ行き、地下鉄東西線に乗り換え、「小野」で下車(約25分)→徒歩約5分
●四条河原町から
京阪バスの醍醐バスターミナル行きに乗り、「小野」下車。
※他路線でも行けたり、他ルートがある場合もあります


【随心院観光のワンポイント】

建物の入り口を入ったところに「蓮弁祈願」の紙が置いてあり、表の鉢の水に浮かべると、願いがかなうそうです。


蓮弁祈願

▲蓮弁祈願の用紙


【随心院の年間行事】

1月

●1月1日
清瀧権現社法要(せいりゅうごんげんほうよう)

1年の初めに真言密教を守護する龍の女神、清瀧権現を祀る法要を行います。

●1月1日〜1月3日 修正会(しゅじょうえ)

新年の始まりに、国家太平と仏法の興隆を祈願します。

●1月13日 金光明経読誦会

空の思想についての教えを中心とする金光明経を読みます。

2月

●2月23日 常楽会

釈迦の入滅を偲ぶ法要です。

3月

●3月1日〜3月31日
観梅祭

梅園の梅が見頃を迎えます。

●3月23日 春期彼岸会

春のお彼岸の法要を行います。

●3月最終日曜日 11:00 13:00 15:00
はねず踊り

梅の花が咲く境内で、小野小町と 深草少将に扮した少女たちが踊ります。

はねず踊り

はねず踊り
「はねず」とは朱色に近いい赤色のこと。梅の色のことと思われます。

5月

●5月16日 開山忌(かいさんき)

随心院の創建者の遺徳を偲ぶ法要です。

8月

●8月16日 お盆施餓鬼会

盂蘭盆(うらぼん)の行事です。迷える霊を供養します。

9月

●9月19日 秋期彼岸会

秋のお彼岸の法要を行います。

10月

●10月26日 土砂加持法会

清水で洗い清めた土砂を、光明真言を唱えて加持する法会です。

11月

●11月16日〜12月2日
小町祭

非公開寺宝の展示や、ミス小野小町コンテストなどが開催されます。期間中は夕方からライトアップされます。

12月

●12月2日 小野忌

小野小町を偲ぶ法事です。小野小町に扮した女性も参加します。

★毎月の行事

●毎月1日・15日
清瀧権現社月並法会

真言密教を守護する龍の女神、清瀧権現を祀ります。

●毎月17日 9:00〜15:00
写経・写仏奉納法会

お経を写す写経と仏様の姿を写す写仏を行います。参加費用は2000円。事前に問い合わせをしてください。

※天候その他の諸事情により中止もしくは変更になることもあります。


【随心院の歴史】

弘法大師から8代目の弟子にあたる仁海僧正が創建し、牛皮山曼荼羅寺と称したのが始まりです。
仁海僧正は、あるとき夢を見ました。亡き母が牛に生まれ変わっていて、その牛を探して飼いましたが、死んでしまったので牛の皮に両界曼荼羅の像を描いて本尊にした、というもので、その夢が寺の名のもとになりました。


曼荼羅寺では、第5世の増俊阿闍梨のときに、子房として隨心院を建立しました。さらに第7世の親厳大僧正が、1229(寛喜元)年、後堀河天皇から門跡の称を賜り、隨心院門跡と称するようになりました。


承久の乱と応仁の乱にあって焼失しましたが、江戸時代直前の1599(慶長4)年、本堂が再建され、2代将軍徳川秀忠夫人や二条家、九条家から寄進を得て、寺観を整え、現代に至っています。


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【公式ホームページ】

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