京都の龍安寺の石庭

龍安寺は、臨済宗妙心寺派の寺です。徳大寺家の別荘であったものを、室町時代の1450年、管領の細川勝元が譲り受け、寺として創建しました。
龍安寺といえば、何といっても石庭です。この石庭、数ある京都の庭の中でも、際立った傑作といってよいでしょう。

左の険しい石からはるかに隔たる右の石へ、ピーンと張った糸のようにみなぎる緊張感。
その緊張感を別の石で緩めるものの、そこに新たに生まれる緊張もあります。それを別の石で緩めます。
しかし、そこにはさらに新たな緊張が張り巡らされてきます。それを小さな捨て石で緩和します。すると、そこには…。

こうして大小高低のある石を組み合わせてできあがったものは、寸分の隙もない緊張感がみなぎる世界です。

話が飛びすぎて申し訳ないのですが、バルトークの「弦・打楽器・チェレスタのための音楽」や「2台のピアノとパーカッションのためのソナタ」を思い出します。これは、あくまで個人的な感慨です。

一般には、禅に通じる世界と解されています。禅のことは、禅寺で修業をしたこともないので知りませんが、そんな感じもあります。
この石庭、年間を通じて、ほとんど変化はありません。変化するのは、石のまわりのわずかな苔の濃淡くらいでしょう。

しかし、雨が降り、雪が降り、月が上り、ときには鳥やトンボや蝶がやってくる…そんな無限の変化があります。
さらに、庭を囲む塀の向こうからは、春には桜、秋には紅葉がのぞきます。
変化しないからこそ、変化のバリエーションは無限なのです。

詩を2編。


一粒の砂の中に世界を見、
一本の野の花の中に天国を見る。
つかみなさい、君の手のひらに無限を、
一刻の時のなかに、永遠を。
    (ウィリアム・ブレイク「無心の前触れ」)


留守と言へ
ここには誰も居らぬと言へ
五億年経ったら帰って来る
    (高橋新吉「るす」)


さて、この辺で。私も5億年ばかりたったら、帰ってくることにしましょう。


京都龍安寺の庫裡

参道の階段を上ると、龍安寺の庫裡です。石庭へは、ここから入ります。


龍安寺の書

庫裡に入ると、書が目を引きます。雄渾な筆致です。


京都龍安寺の石庭

龍安寺の石庭は、まさに完璧です。これほどまでに緊張感に満ちた庭は、京都はおろか、世界にふたつとないでしょう。


京都龍安寺、桜の石庭

春の龍安寺です。禅的で静かな世界の中、華やぎが支配しています。


龍安寺の紅葉,

秋の龍安寺です。塀の向こうに紅葉が見えます。主役は庭か、紅葉か。


龍安寺のつくばい龍安寺のつくばいの文字

銭型のつくばいです。方丈の北東に据えてあります。上記のように 書かれています。これには読み方があります。真ん中の四角を「口」の字にすると、たとえば「五」と「口」で「吾」となりますね。
「吾唯足知」すなわち「われ、ただ足るを知る」が、その意味です。


龍安寺には広い池があります。鏡容池といいます。その池に突き出た辨天島という小さな島に社があります。弁財天が祀ってあります。神仏習合のひとつの形かと思われます。



鏡容池には、夏の前後にかけて、睡蓮が咲きます。深緑の水にピンク色の花が映えて、きれいです。


この場所を含む京都観光コースガイドへ

◎金閣寺からきぬかけの路を行く


京都観光街めぐり

【龍安寺の基本情報】

●正式名称

龍安寺(りょうあんじ)

●宗派

臨済宗妙心寺派

●山号

大雲山

●本尊

釈迦如来

●住所

〒616-8001 京都市右京区竜安寺御陵下町13

●電話

075-463-2216

●見学に要する時間

30分〜1時間ほど。

●拝観時間

3月〜11月 8:00〜17:30
(17:00に受付終了)
12月〜2月 8:30〜17:00
(16:30に受付終了)
※終了時間の30分前までに入場してください。

●休日

年中無休

●拝観料

大人  500円
大学生 500円
高校生 500円
中学生 300円
小学生 300円
※団体割引なし

●駐車場

あり
普通乗用車 80台
バス 20台
※石庭拝観者に限り、1時間無料。

●車いすによる拝観

建物内は不可
※事前に要問い合わせ。


【龍安寺へのアクセス】

●京都駅から
市バス50系統に乗り、「立命館大学前」下車
徒歩7分
●四条河原町から
市バス59系統に乗り、「竜安寺前」下車
徒歩5分
※他路線バスでも行けたり、他ルートがある場合もあります


【龍安寺観光のワンポイント】

龍安寺というと、足早に石庭を見て帰ってくる人が多いですが、実は境内は広くて、とてもきれいです。ゆっくりと楽しんでほしいと思います。


春の鏡容池

▲春の鏡容池
たくさんの桜が花を開きます。


夏の苔の庭

▲夏の苔の庭
初夏から秋にかけて、庭は緑の苔におおわれます。


秋の門

▲秋の門
龍安寺は紅葉もきれいです。


【龍安寺の歴史】

龍安寺は、室町幕府の管領で応仁の乱の東軍総帥でもあった細川勝元が1450(宝徳2)年に開いたお寺です。 もとは藤原北家、藤原実能の流れを汲む徳大寺の山荘であったものを細川勝元が譲り受け、妙心寺5世住持の義天玄承(ぎてんげんしょう)を開山として迎え、創建しました。


応仁の乱(1467-1477年)で焼失しましたが、細川勝元の子の細川政元によって再興され、寺運は隆盛に向かいます。
さらに豊臣秀吉と江戸幕府による手厚い保護を受けて栄えました。
しかし、江戸時代中期の1797(寛政9)年、火災でほとんどの堂宇を焼失。その後、再建されることになります。
鏡容池に関しては、創建当時の姿をほぼそのまま伝えているとされています。


【龍安寺を含む京都観光コースガイド】

◎金閣寺からきぬかけの路を行く


【公式ホームページ】

龍安寺


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