落柿舎

観光客でにぎわう嵐山・嵯峨野の玄関口、渡月橋から天龍寺の前の通りを北へ進んで嵯峨野へ歩を進め、青々とした竹林を抜けると田んぼの向こうに、茅葺きの家が見えてきます。
松尾芭蕉の門人であった向井去来の別宅、落柿舎です。ある商人が家の周囲の柿を買う約束をしたところ、大風が吹いて一夜にして柿の実が落ちてしまったことから、落柿舎の名がついたとされています。
今時珍しい茅葺き屋根はよく目立ち、異彩を放つ観光名所となっています。

向井去来は芭蕉の忠実な門弟でした。「言葉を無理にこしらえてはいけない」「余すところなく言い尽くして何になるのか」というような芭蕉の言葉を書き留めた「去来抄」は、芭門随一の俳諧書となっているだけでなく、芭蕉の研究資料として第一級の資料となっています。

芭蕉は落柿舎を生涯で3回訪れました。「嵯峨日記」には48歳の芭蕉が1691(元禄4)年4月18日から5月4日まで滞在して門人と一緒に俳句を詠み、夜を徹して語り明かしたようすが描かれ、楽しげです。

落柿舎は門弟が集まるサロンとなりました。俳人の集まりだけに粋を尊ぶ気風があり、俳諧奉行向井去来の署名で「速に灰吹きを棄つべし 煙草を嫌ふにはあらず」とか「雑魚寝には心得あるべし 大鼾をかくべからず」といった記述も残されています。

落柿舎はスポットとしては小さいせいか、外から中を覗くだけで通り過ぎてしまう人も少なくありません。実は私も初回はそうだったので、気持ちはわかります。覗き込めば見えるのに入場料を払うのがもったいない、というか…(笑)。
しかし、入らないで通り過ぎると、あとになって「入っておけばよかったな」ときっと後悔します。そして、次の回に入ってみると、狭いながらに味わい深いことに驚きます。ですから、ぜひ中に入ってほしいと思います。


落柿舎の入口

玄関にかけられたみのと傘は、家の主人が在宅している印です。


室内

茅葺き屋根の庵の室内は、簡素で素朴です。


落柿舎の紅葉

訪れたのが秋だったので、紅葉がきれいに映えています。


奥の庵

落柿舎には2つの庵があります。奥に見えるのは、第2の庵です。


柿の木

落柿舎の敷地内には柿の木があります。落柿舎の名の由来が柿なので、この季節に来られたのはうれしいです。


落柿舎の芭蕉

こちらは以前、夏に来たときに撮影したバナナの木。国文学にくわしい方なら、わかりますね? 松尾芭蕉の「芭蕉」とは、バナナのことです。そのため、敷地内に植えられています。


公式ホームページ

落柿舎


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【落柿舎の基本情報】

●正式名称

落柿舎(らくししゃ)

●住所

〒616-8391 京都市右京区嵯峨小倉山
緋明神町20

●電話

075-881-1953

●見学に要する時間

10分〜20分ほど。

●入園時間

3月ー12月 9:00〜17:00

1月−2月 10:00〜16:00

●休日

12月31日および1月1日

●入園料

200円(学生団体100円/要事前予約)

●駐車場

民間の駐車場を利用。

●車いすによる拝観

可(多少の段差はあります。)


【落柿舎へのアクセス】

●京都駅から
JRで「嵯峨嵐山」へ
または市バス28系統嵐山大覚寺行きに乗り、「嵐山天竜寺前」下車
●四条河原町から
市バス嵐山嵯峨・山越行きに乗り、「嵐山」下車
※この周辺の観光は、渡月橋や天竜寺を起点に、徒歩またはレンタサイクルでまわることになります。下車後、距離があります。
※他路線バスでも行けたり、他ルートがある場合もあります。


【落柿舎観光のワンポイント】

落柿舎には投句箱が備えられており、自由に投稿できます。年間6000〜7000句が集まり、その中から落柿舎保存会の選者によって選ばれた百句余が季刊誌に掲載されます。修学旅行生の面白俳句も多いそうです。
旅の記念に投稿していくのも楽しいでしょう。


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【公式ホームページ】

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