鞍馬寺仁王門

鞍馬寺は、源義経が少年時代を過ごした場所として有名です。伝説によれば、天狗に武術や兵法を学んだとされています。
源義経の軍事的才能は、司馬遼太郎をして「ひとつの民族の歴史に一人出るか出ないか」と言わしめるほど。田舎者丸出しで威張りかえって京の人々に迷惑をかけた従兄弟の木曾義仲を宇治川の戦いで破り、一ノ谷の奇襲作戦で平氏を相手にみごと勝利を収めて都に凱旋し、一躍ヒーローとなります。
ただ、天才というのは精神のアンバランスの上に成り立っていることが多く、義経の場合は政治感覚がゼロでした。その辺を老獪な後白河法皇に突かれて検非違使に任じられ、昇殿も許されて、得意満面。
政敵から役職を受け取って喜んでいるのですから、例えて言えば自民党員が民主党や共産党から役職をもらって、ブログやツイッターでうれしげに報告しているようなもの。
歴史の物語の上では兄の頼朝を悪役に仕立て、義経を悲劇のヒーローとする傾向がありますが、真っ当に考えれば、頼朝が怒るのは当たり前です。源義経は東北へ落ち延び、追いつめられて、その生涯を閉じることになります。

鞍馬寺は1947(昭和24)年に天台宗から独立して、鞍馬弘教の総本山となりました。本尊は、毘沙門天と千手観音と護法魔王尊が合体した「尊天」です。この「尊天」は一木一草にも慈悲を注ぐ宇宙生命そのものとされています。現代のスピリチュアルブームを先取りしたような存在と言えるかもしれません。
「この地には何かがある」という感覚は、昔の人にもあったのでしょう。奥の院魔王殿は、大地の神である魔王尊が560万年前、人類救済の使命を帯びて金星から天降った場所、と伝えられています。

実際、鞍馬寺には歩いているだけで浄化されるような感覚があります。一度行ったら、また行きたくなります。
なお、山中の道は多少のアップダウンはありますが、登山道ではなく、ハイキングコースの感覚です。天気さえよければそれほど無理はありませんので、歩いて貴船神社へ抜けることをお勧めします。


鞍馬駅前の天狗鞍馬寺仁王門

叡山電鉄の鞍馬駅を降りると、天狗のオブジェが出迎えてくれます。木の芽(山椒)の佃煮やトチ餅を売っている地元商店の前を過ぎて仁王門をくぐります。

由岐神社参道

仁王門をくぐり、参道を上がって行きます。途中に鞍馬の火祭りで知られる由岐神社があります。その先は、清少納言が「枕草子」で「近うて遠きもの」と記したように上り坂が続きます。

本殿

延々と坂道を上がっていくと、鞍馬寺の本殿に着きます。地面には六芒星が描かれています。この中心がパワーポイントとされています。宇宙の気を受けようと、両手を広げる人がたくさんいます。

金剛寿命院不動堂

本坊金剛寿命院の前は、瑞風庭という庭です。立札の説明書きによると、人類救済の使命を帯びた護法魔王尊が金星から「焔の君」たちを従えて降臨するようすを形象化したもの、とのこと。なんかよくわからないですが、そのまま受け止めることにします。不動堂の前を過ぎて、さらに山道を進みます。

霊宝院冬柏亭

霊宝殿1階の自然科学博物苑展示室には、鞍馬山の動植物を紹介する標本や写真が展示されています。2階には与謝野晶子記念室となっており、歌人与謝野晶子の文机や歌稿が展示されています。また、3階の仏像奉安室では、国宝の木彫毘沙門天立像、吉祥天立像、善膩師童子立像や、重要文化財の木彫聖観音菩薩立像などが収蔵されています。
右の写真は、与謝野晶子の書斎を移築した冬柏亭。鞍馬寺が天台宗から独立したときの初代管長、信楽香雲師は与謝野晶子門下の歌人であったため、その縁でこの場所に移されたものです。

息つぎの水義経の背比べ石

さらに山道を登っていくと、義経がのどをうるおしたという息つぎの水があります。さらに義経の背比べ石の前を通ります。義経は小柄であったと伝えられますが、それにしても小さな石です。

木の根道

鞍馬山は2億6000万年前、海底火山の隆起でできたとされています。この付近は砂岩が硬化しているため樹々の根が地表に露出し、木の根道と呼ばれています。

義経堂

源義経の名を冠された義経堂の前を過ぎると、だんだん道は下りになってきます。

奥の院魔王殿

魔王尊の本拠地、奥の院魔王殿が森の中に静かにたたずんでいます。魔王尊というのは天狗の総帥であったと言われています。

この場所を含む京都観光コースガイドへ

◎源義経ゆかりの地、鞍馬山


京都観光街めぐり

【鞍馬寺の基本情報】

●正式名称

鞍馬寺(くらまでら)

●宗派

鞍馬弘教

●山号

鞍馬山

●本尊

尊天(毘沙門天王・千手観世音菩薩・護法魔王尊)

●住所

〒601-1111 左京区鞍馬本町1074

●電話

075-741-2003

●見学に要する時間

1時間〜3時間
※本殿付近で引き返すか、山中の道を貴船神社へ抜けるかで大きく違います。また、途中の霊宝院をゆっくり見学すると時間を使います。

●拝観時間

9:00〜16:30
※山中の道は、暗くなる前に抜けるようにしてください。

●休日

無休
※霊宝殿は月曜、および12月12日〜2月末日休館

●拝観料

高校生以上:200円
中学生以下:無料

●駐車場

鞍馬駅近くに民営の駐車場あり。

鞍馬駅近くの駐車場

▲叡山電鉄の駐車場


駐車料金

▲駐車場の料金表


●車いすによる拝観

不可


【鞍馬寺へのアクセス】

●京都駅から
JRで「東福寺」まで出て京阪本線に乗り換え、「出町柳」下車。
叡山電鉄に乗り換えて、「鞍馬」で下車。
●四条河原町から
徒歩で鴨川をわたり、京阪本線「四条」から「出町柳」へ。
叡山電鉄に乗り換えて、「鞍馬」で下車。
※他路線でも行けたり、他ルートがある場合もあります。


【鞍馬寺を含む京都観光コースガイド】

◎源義経ゆかりの地、鞍馬山