貴船神社の鳥居

貴船神社は、水神を祀る神社です。創建時期は明らかではありませんが、平安京への遷都以前からあったと伝えられる古い神様です。

もともと貴船は「木生根」あるいは「木生嶺」と書き、樹木の生い茂る様子を表わすとされますから、水源の森全体を守る神様なのでしょう。
近くには鴨川の上流にあたる貴船川が流れ、森はみずみずしく、歩いているだけで心身ともに清められ、樹々と水のエネルギーを受けるような気がします。

貴船川沿いには多くの料理屋が並んでいます。初夏から夏の終わりまでは、川床を楽しむこともできます。梅雨のころには、ホタルも飛びます。

さて、貴船神社は京都でも有名な「恋の神社」として知られています。平安の昔、夫の浮気に悩んだ和泉式部がお参りして夫の愛を取りもどしたと伝えられ、 今でも女性やカップルの参拝客が絶えません。
なかでも本宮から奥へ上がったところにある中宮は結社(ゆいのやしろ)とも呼ばれ、ポイントとされますから、お見逃しなく。
ただし、本宮からまず奥宮へ向かい、結社はそのあとで参拝するのが古代からの習わしです。

奥宮にさしかかるあたりを流れる「思い川」のほとりでは、明治〜昭和にかけて活躍した俳人、高浜虚子が詠んだ歌が残っています。

思い川 渡ればまたも 花の雨

和泉式部もこの川で身を清めて、結社に参拝したと伝えられます。ロマンを感じる話ですね。


貴船神社の参道
貴船神社の参道です。赤い鳥居が樹々の緑に映えます。


貴船神社の参道の花
階段の横には、小さなん可憐な花が咲いていました。


貴船神社の本宮
貴船口からバスに乗り、一番近い社は本宮です。


貴船神社の中宮
中宮(結社)です。私は往路でお参りしてしまいましたが、恋の成就を願う方は、しきたり通りいったん前を通り過ぎて、奥宮に参拝してからもどってきてくださいね。


船石
森の中に船の形をした石がありました。貴船神社の参道沿いにはこのように見所となる石や木がいくつもあります。


相生の杉
この杉は相生(あいおい)の杉と名づけられています。夫婦仲良い象徴です。


思い川橋
思い川橋です。私は既婚者で子どももいますから、恋は「今さら」ですけど、この世への思いはそれなりにいろいろあります。


連理の杉
奥の宮の境内には、連理の杉。どうも、この手の杉が多いようです。


御船形石
奥の宮のすぐ前に、御船形石があります。その昔、玉依姫命(たまよりひめ)が乗ってきた黄色い船とされています。


貴船神社の奥宮
奥宮は静かにたたずんでいました。何人もの女性連れやカップルが参拝していきました。

【貴船神社の歴史】

貴船神社の創建は、伝承によれば、大和時代の頃、西暦433〜437年の反正天皇の時代とされます。
伝承では、神武天皇の母である玉依姫命(たまよりひめ)と名乗る女神が、黄色い船に乗って浪速に現われ、「この船の留まるところに社殿を建てて、神様を大事にお祀りすれば国土を潤し、庶民に福運を与えん」と言って、 淀川から鴨川へ、鴨川から貴船川へ遡って、現在の貴船神社のあたりに上陸したことを受け、水神を祭ったのに始まるとされています。
社名の「貴船」の由来は、このときの「黄船」により、奥宮境内にある「御船型石」が、玉依姫命が乗ってきた船が石に覆われたものとされています。
ただし、「貴船」の由来については、本文に書いたように樹々が茂る様を表わす「木生根」とも、気の産まれる根源である「気生根」であるともいい、定かではありません。


最も古い社殿の立て替えは、記録が残っているものでは666(白鳳)6年に行われました。 また、796(延暦15)年、東寺の造営の任に当たっていた藤原伊勢人の夢に貴船神社の神が現れ、鞍馬寺を建立するよう託宣したと記されています。


貴船神社は、延喜式神名帳には「山城国愛宕郡 貴布禰神社」として記載され、名神大社に列しています。のちに二十二社の一社とされ、1140(保延6)年に最高位の正一位の神階を授けられました。


しかし、1046(永承元)年7月、出水により社殿が流失し、1055(天喜3)年、現在の本宮の地に社殿を再建して、もとの鎮座地は奥宮とされました。 このとき上賀茂神社の援助を受けたのか、貴船神社は長らく上賀茂神社の摂社とされてしまいました(理由は正確には不明です)。
近世以降、それを不服として訴えが続けられ、明治以降になってようやく独立の神社となり、現在に至っています。


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貴船神社


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◎源義経ゆかりの地、鞍馬山


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【貴船神社の基本情報】

●正式名称

貴船神社(きふねじんじゃ)

●主祭神

本宮は高おかみ神 (たかおかみのかみ)
奥宮は闇おかみ神(くらおかみのかみ)

●ご利益

縁結び、心願成就、商売繁盛など
※とくに縁結びの神として有名。

●住所

〒601-1112 京都市左京区鞍馬貴船町180

●電話

075-741-2016

●見学に要する時間

1時間〜2時間

●拝観時間

◎1月1日〜1月3日 6:00〜20:00
◎1月4日〜4月30日 6:00〜18:00
※ただし、 1月15日と 2月3日は6:00〜20:00
◎5月1日〜11月30日 6:00〜20:00
◎12月1日〜12月30日 6:00〜18:00
※七夕および紅葉の期間は6:00〜21:00
※御祈願は15:30まで/お守り・御朱印は16:30まで

●休日

年中無休

●拝観料

無料

●駐車場

あり(本社に乗用車10台分、本社に乗用車15台分/2時間500円。奥の宮にもあります。)
※祭りの日やオンシーズンには渋滞になりますので、電車とバスの方がお勧めです。

貴船神社本宮近くの駐車場

▲本宮前の駐車場
本宮に上がる鳥居を過ぎて、すぐです。


貴船神社奥宮近くの駐車場

▲奥宮前の駐車場
奥宮の近くにあります。


●車いすによる拝観

不可(階段がたいへん多いため。)


【貴船神社へのアクセス】

●京都駅から
JRで「東福寺」まで出て京阪本線に乗り換え、「出町柳」下車。
叡山電鉄に乗り換えて、「貴船口」で下車し、貴船神社行きのバスに乗る。
●四条河原町から
徒歩で鴨川をわたり、京阪本線「四条」から「出町柳」へ。
叡山電鉄に乗り換えて、「貴船口」で下車し、貴船神社行きのバスに乗る。
※他路線バスでも行けたり、他ルートがある場合もあります。
※バスは12月第2週から3月中旬まで、正月を除いて平日運休です。


【貴船神社観光のワンポイント】

貴船口駅に着いてから、何も考えずに歩き出す人が時々いるように思います。しかし、貴船口駅から貴船神社の本宮までは2.1kmの上り坂です。 帰りもバスターミナルでバスの到着まで間があると、駅まで歩く人がかなりいます。下り坂とは言え、1.9kmくらいあります。 山道を歩くのを楽しむ方ならよいですが、人につられて歩き出すと、ちょっと大変です。疲れないようにバスをお勧めします。
冬場の平日はバスもありませんから、ご注意ください。


貴船神社バスターミナル

▲貴船口駅行きのバス
貴船神社バスターミナルは、本宮から200mほど下にあります。


【貴船神社の年間行事】

1月

●1月1日 14:00〜
若水神事(わかみずしんじ)

元旦に汲んだ水を若水といい、水神への感謝の儀を行います。

●1月1日 8:00〜
歳旦祭(さいたんさい)

新しい年・月・日を祝い、年神様に感謝し、神前に皇室・国家・国民を言祝ぐ神事です。

●1月7日 11:00〜
若菜神事(わかなしんじ)

邪気を祓うために七種の野菜を食したという習わしが日本に伝来したもの。御神前に七草粥が供され、運がよければ七草粥を味わうことができます。

●1月最初の辰の日 11:00〜
初辰大祭(はつたつたいさい)

毎月最初の辰の日に神社に参拝すれば、より一層力を与えて守り助けて、もらえるとされています。その辰の日の中でも最初の辰の日を祝し、大根、人参、ごぼうなどが入った暖かい粕汁がふるまわれます(14:00まで)。

●1月15日 10:00〜
御粥祭(おかゆさい)

昔の暦では正月15日に満月となり、小正月とされます。小正月には縁起ものの小豆を白がゆに散らして、満月に見立てた餅を入れます。この日は、神事の後、小豆粥がふるまれます。

2月

●2月3日 10:00〜
節分祭(せつぶんさい)

桃の木の枝を用いて、古式ゆかしい鳴弦神事が執り行われます。なお、節分祭は貴船神社と鞍馬寺が始まりとする説もあります。

●2月11日 10:00〜
紀元祭(きげんさい)

イザナギ、イザナミの神が、日本の国土と多くの神々を産んだ歴史を祝います。

3月

●3月3日 11:00〜
桃花神事(とうかしんじ)

言わずと知れた桃の節句です。古来、桃には邪鬼を祓う力があると信じられており、桃の花でこの日を祝います。

●3月9日 10:00〜
雨乞祭(あまごいまつり)

水神を祭る貴船神社の伝統ある神事です。適度の雨と農作物の成長を神に祈ります。

●3月17日 11:00〜
祈年祭(きねんさい)

祈年祭は「としごいのまつり」とも読み、書きの五穀豊穣を神に祈ります。

●3月春分の日 10:00〜
春分祭(しゅんぶんさい)

二十四節気の春分の日(春の彼岸の中日)に行われるもので、自然を讃え、感謝します。

4月

●4月1日 10:00〜
春季御更衣祭(しゅんきごこういさい)

神様にお召し物を春夏用のものに着替えていただくお祭りで、本宮と奥宮の両殿内に春夏物の神御衣(かんみそ)を奉献します。

●4月3日 10:00〜
土解祭(とげさい)

土解とは、凍りついた土が解けることで、種まきの時期が近づいている事を指します。その年の稲の実りを占い、豊作を祈願します。

●4月29日 10:00〜
昭和祭(しょうわさい)

昭和天皇の遺徳を讃え、激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす神事です。

5月

●5月5日 11:00〜
菖蒲神事(しょうぶしんじ)

古来、中国では菖蒲の形が刀に似ていることや爽やかな香りを放つことから、邪気を祓うとされました。菖蒲を持った巫女の舞が奉納されます。

6月

●6月1日 11:00〜
例祭「貴船祭」

神輿が貴船町内を練り歩きます。また、船形石のまわりでは、地元の子供たちが「忌み串」を手に「おせんどんどん」と唱えながら船形石をめぐる「千度詣」を行います。そのほか出雲神楽の奉納などが行われます。

●6月25日〜30日
茅の輪くぐり(ちのわくぐり)

日頃の生活で身についた罪穢れを祓い清めるために、大きな茅の輪をくぐります。

●6月30日 15:00〜
水無月の大祓式(おおはらえしき)

今年前半期の罪穢れを祓い清め、残りの半年の厄災から免れるように、祈祷が行われます。

7月

●7月7日 10:00〜
貴船の水まつり

水に感謝を捧げ、また降雨・晴天の天候が順調で適度な水の恵みを戴けるようにと祈る祭です。境内に湧き出る御神水を使った茶が神に献じられ、 庖丁とまなばしを使って見事な庖丁さばきで調理した有職料理が捧げられます。

※7月7日が土日の場合は、翌月曜日。

水祭り

▲水祭り


●7月7日 13:00〜
七夕神事(たなばたしんじ)

大きな竹の七夕の笹飾りが境内に飾られ、神事が行われます。

※7月7日が土日の場合は、11:00〜。

本宮、七夕

▲七夕の笹飾り


9月

●9月9日 11:00〜
菊花神事(きっかしんじ)

菊の花びらを浮かべ、菊の香りを移した菊酒を飲むことによって邪気を祓い、長命を願う神事です。先着30名が式典に参加でき、菊酒も飲めます。

●9月秋分の日 10:00〜
秋分祭(しゅうぶんさい)

二十四節気の秋分の日(秋の彼岸の中日)に行われるもので、自然の恵みに感謝します。

●9月26日 15:00〜
祖霊祭(それいさい)

子孫を見守る祖先の霊に感謝する神事です。

10月

●10月17日 10:00〜
神嘗奉祝祭(かんなめほうしゅくさい)

今年も稲が実り、米を収穫できたことを神に感謝する神事です。

11月

●11月1日 10:00〜
秋季御更衣祭(しゅうきごこういさい)

神様にお召し物を秋冬用のものに着替えていただくお祭りです。本宮と奥宮の両殿内に秋冬物の神御衣(かんみそ)を奉献します。

●11月3日 10:00〜
明治祭(めいじさい)

明治天皇の遺徳を讃え、近代日本の礎を築いた明治の時代を顧み、国の将来に思いをいたす神事です。

●11月7日 11:00〜
御火焚祭・御日空講員大祭(おひたきさい・おにっくこういんたいさい)

桂のご神木の前に、全国の崇敬者から寄せられた護摩木が積み上げられ、炊き上げられます。

●11月23日 11:00〜
新嘗祭(にいなめさい)

この年に収穫した五穀を神前に供え、神に感謝します。

12月

●12月23日 10:00〜
天長祭(てんちょうさい)

天皇の誕生日を祝います。

●12月31日 16:00〜
師走の大祓式(しわすのおおはらえしき)

1年間の暮らしの中で身についた罪穢れを祓い清め、新年に備えます。

●12月31日 16:00〜
除夜祭(じょやさい)

行く年の無事を神に感謝し、来る年の安全を祈ります。


★毎月の祭り

●毎月1日 10:00〜
月次祭(つきなみさい)

国家安泰を神に祈り、先祖の霊に感謝を捧げます。

●毎月最初の辰の日 10:00〜
初辰祭(はつたつさい)

古来日本では、毎月最初の辰に日に神社に参拝すれば、神様がより一層守り助けてくれると信仰されてきました。4年かけて48回参拝すれば、満願成就となります。 これは「四十八辰」つまり「始終発達」するという掛け言葉からきたものです。しかし、4年間お参りを続けられるというのは、それだけ無事発達していることです。

●毎月15日 10:00〜
末社祭(まっしゃさい)

日吉社、吸葛社、鈴市社など、貴船神社内にある小さな末社の神事です。
※天候その他の諸事情により中止もしくは変更になることもあります。


【貴船神社を含む京都観光コースガイド】

◎源義経ゆかりの地、鞍馬山
※貴船神社を鞍馬寺と合わせると、ハイキングコースになってしまいます。貴船神社だけまわってもよいですし、 岩倉駅で降りて、実相院へまわってみるのもよいでしょう。


【公式ホームページ】

貴船神社